人材派遣会社の面接で上手に成功体験を話す方法とは?

成功体験は目的達成までの過程や行動、考えたことを話しましょう


人材派遣会社の面接で成功体験を尋ねられたときは、面接官の意図をとらえて、目的達成の過程・行動・考えたことを話しましょう。質問の理由はあなたの人柄や価値観を知るためで、成功に対する考え方や困難の対処の仕方を見ます。

成功体験を答えるには、結論から始めて具体的なエピソードを伝え、最後に採用後どうしたいかを話しましょう。成功体験を見つけるには過去を振り返り、学業・部活動・アルバイト・前職での経験を深堀りします。

成功体験がないと思っても「ない」と言わず、失敗したものの努力した過程を話します。面接に備えて回答をつくるには、OK・NG回答を参考にしてください。

目を通してからあなたなりの成功体験の回答を準備しましょう。

面接で成功体験を尋ねる意図は、あなたの価値観を知ることです

人材派遣会社の紹介予定派遣の面接で成功体験を尋ねる理由は、あなたの人柄や価値観を知りたいからです。人材派遣会社の担当が派遣先企業へあなたのスキルや経歴を伝えていますが、実際にあなたと話して人柄や価値観などを知り、派遣を決定しようと考えます。

面接で成功体験の質問があったとき、以下の質問の意図をくんだ回答をしましょう。

・成功をどうとらえているか?
紹介派遣先の面接官が聞きたい答えは、どれだけ成功したかではなく、あなたが何をもって成功とするかです。同じ体験をしても人によって成功ととらえる人もいれば、失敗ととらえる人もいるからです。

成功に対する考え方は社風に合うかをはかる機会にもなり、在籍するスタッフと良い関係を築けそうかを見ています。そしてあなたの考える深さをはかり、派遣後の職場での取り組み方をイメージしようとします。

・目的を立てて達成のために努力できるか?
成功体験がいくつもあることは素晴らしいですが、ひとつの小さな成功を生み出すためにあなたが目標を立てて努力した過程も、十分アピールになります。面接官は数多くの結果以外に、あなたの努力した過程とその結果の成長を知りたいからです。

目標を立てて努力を重ねた体験は、たとえ成功しなかったとしても面接官は評価するでしょう。仕事に対して目標を立てて問題が起きても対処の努力ができる人だと、アピールになります。

・実際に努力した内容は?
あなたが努力した内容を、面接官は最も知りたいと思っています。そして成功までの過程を具体的に話せると、これまでに明確な目標へ向けて取り組んだ経験がある裏付けになります。

成功するために立てた目標・達成までの過程・努力したことを順を追って説明し、会社へ派遣されたあとのあなたを想像した面接官に「ぜひ働いて欲しい」と思わせましょう。良く見せようと嘘をつくと深堀りされたとき答えられず、評価を落とすので、嘘のない内容を伝えてください。

・困難を乗り越えられるか?
仕事はスムーズに進む方が珍しく、大小さまざまな困難が生じます。成功体験の質問で、面接官はあなたが困難を前にして対処できるかを確かめます。

成功のための過程で困難がたちはだかったとき、あなたは困難をどのようにとらえ他の方法を考えて実行したか、リスクを可能な限り抑えられたかについて、面接官は興味があります。そのときの考え方や行動が自社で働き始めたあなたの姿をイメージさせるので、困難に対処できそうな人物だと印象づければ紹介予定派遣が決まる可能性は高いでしょう。

成功体験の答え方のポイントをチェックし、あなたの成功体験を掘り下げましょう


成功体験でアピールするためには、面接官の意図をふまえ、伝えやすい答え方にそってまとめてください。面接に使える成功体験の見つけ法と成功体験がない場合のまとめ方も覚えておきましょう。

・答え方のポイント
初めに結論を伝えたあと、成功に至った具体的な過程や考えたことを話します。困難を感じたポイントを言い、どのように乗り越えて成功できたかを伝え、最後に派遣先では成功体験で得たものをどう生かせるかでまとめます。

・注意点
成功体験がなくても「ありません」と答えないことです。意欲的に行動できない人と思われる可能性があります。

たとえ成功体験がない場合でも嘘は避けましょう。面接官が興味をもつと質問を深堀りするケースがあり、答えられず嘘がばれて信用を失ってしまいます。

面接官は成功までの過程を重視するので、行動や考えたことは必ず入れましょう。過程を飛ばすとあなたらしさが伝わりにくくなり、または軽んじる言い方をするマイナスの印象を与えるおそれがあります。

・成功体験の見つけ方
もし成功体験がすぐに思いつかないときは、過去を振り返りカテゴリごとの経験を深堀りしましょう。カテゴリとは、学生時代の学業・部活動・サークル活動・アルバイト・習い事・趣味・家事・ほめられたできごと、社会人経験のある人は仕事での成果や人からほめられたことなどがあります。

できるだけ最近の体験から深堀りして、具体的なエピソードとして話せるできごとを探しましょう。小中学生の頃に大きな成功をした経験があっても、面接官は「その後何もなかっただろうか?」と気になり、入社後のあなたを想像しづらいため避けます。

先に会社ホームページなどで求める人物像を把握し、その内容に合う成功体験が話せると好印象です。

・成功体験がない場合
カテゴリごとにこれまでの経験を書き出しても、努力はしたものの成功した経験がない場合は、力を入れて取り組んだ過程を話します。面接官はあなたの成功に対する考え方と行動を知りたいため、失敗した体験でも参考になります。

成功体験はどんな小さいことでもかまわず、たとえば毎日必ずあいさつする習慣がついた・資格取得のために毎日2時間の勉強を続けた・仲間とコミュニケーションを取り続けたなどでも十分です。面接官はあなたの成功の大きさで採否を判断せず、取り組む過程と人柄で検討したいからです。

成功と聞くとエピソードが思いつかないときは、うれしかった体験・注目されたこと・自分を強くした経験などに置き換えて考えましょう。

回答例を参考にして、強みをアピールできる答えを準備しましょう

成功体験を深堀りしたら、面接用に回答を準備します。OK回答例とNG回答例を参考にしてまとめたあとは、スムーズに答えられるよう練習もしましょう。

【OK回答例】
・私の成功体験は、大学時代に所属したゼミの教授にほめてもらえたことです。毎年夏にゼミ合宿があったものの、数人が不参加で気がかりでした。

私が幹事になった年は全員参加をめざし、企画を立てながら教授・生徒の間に立ち、ゼミメンバー同士が積極的に交流できる機会をつくりました。その結果、ゼミ合宿は全員で出かけることができました。

私自身もうれしかったことですが、教授が特に喜んでくれて今までで一番楽しみな合宿だと褒めてもらいました。この経験から積極的にコミュニケーションを取ることは、チームの結束力を高めるために大切だと実感しました。

御社でもこの経験を忘れず、スタッフの方々との結束を固めたいと思います。

・私は父が柔道道場を営んでおり、私も幼稚園の頃から柔道を始めました。当時からいつかは全国の舞台に立ち入賞したいと考えたものの、大会になるとあと1歩及ばず負けてばかりでした。

そこで大会での心のコントロールができればと、スポーツ心理学を学びメンタル強化を行いました。その結果、緊張感と相手に勝つ恐怖を乗り越え、全国2位入賞できました。

この経験からメンタルコントロールの大切さと、競争についての考え方を学びました。御社にご縁がありましたら、冷静かつ着実に行動したいと思います。

・私の成功体験は、向いていないと思った営業の仕事を好きになり営業力もついたことです。前職では初め事務をしておりましたが、営業に異動になり、成約までの苦労を何度も経験しました。

初めて成約できたときのうれしさは大きく、それがモチベーションになり営業の仕事を深く学びたいと思いました。営業を研究しつつ成約に向けて見込み客を何度も訪問し、成果を得られました。

初年度は先輩社員の結果に近付くことができ、2年目からは部署で2番目の成果が出せました。これまでの成功体験を生かし、御社でも営業部門で成果をあげたいと考えております。

【NG回答例】
・私はテニスの県大会で優勝したことが成功体験です。毎日練習を続けてレギュラーになり、内容はハードでしたが頑張った結果、優勝できました。

この書き方では成功までの過程と考えたことがなく、面接官の知りたい内容を含める必要があります。

・私は成功体験がありません。前職は新卒採用でSEをしておりましたが、1年半で退職したためです。

チームで動く仕事は自分の成果ではないと考えると、成功体験はないと思うかもしれません。しかしチームがスムーズに仕事を進めるために気をつけたことや貢献したことをあげ、その結果どうなったかを伝えましょう。

チームでの成功にどれだけ貢献したかがあなたの成功体験になります。

(まとめ)人材派遣会社の面接で上手に成功体験を話す方法とは?

1.成功体験は目的達成までの過程や行動、考えたことを話しましょう
面接官が成功体験を尋ねる理由は、あなたの人間性や価値観を知るためです。成功までの過程から成功に対する考え方や困難の乗り越え方などを確かめます。

成功体験はないとは答えず、小さなことでも話しましょう。

2.面接で成功体験を尋ねる意図は、あなたの価値観を知ることです
人材派遣会社の紹介予定派遣の面接で成功体験を聞く目的は、ただ成功歴を聞きたいわけではなく、あなたの価値観を知ることです。成功に対する考え方や成功するための取り組み、困難に対する対処方法などを確かめて、自社に欲しい人材化を判断します。

3.成功体験の答え方のポイントをチェックし、あなたの成功体験を掘り下げましょう
面接官が知りたい、成功までの過程と行動、考えたことを具体的に話しましょう。成功体験がなかったとしてもないとは伝えず、事前に過去を振り返って小さな成功体験を探します。

成功体験をうれしかったことや自分を強くした経験などに言いかえると考えやすくなります。

4.回答例を参考にして、強みをアピールできる答えを準備しましょう
人材派遣会社の紹介予定派遣の面接で成功体験を答えるには、回答を準備してスムーズに話す練習をしておきましょう。回答をまとめる前にOK・NG例に目を通すと、面接官へ強みをアピールする伝え方がわかります。

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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