人材派遣の面接で長所 短所はどう答える?

長所 短所の質問は客観視できるかを見るためで、長所と短所はひとつだけ答えましょう


人材派遣の面接であなたの長所 短所を聞く目的は、客観視できる人物かや社風と雰囲気に合うかを確かめることなどです。面接官に好印象を与えるためには、長所と短所のどちらを話す場合も複数あげずひとつにとどめましょう。

長所は強みと区別して考え、短所は裏返すと長所になる要素を選び、克服する努力をしていることも加えます。長所が思いつかないときは、たとえば「優柔不断」を「慎重に物事を進める」などと言いかえます。

面接で長所と短所を答えるためには、事前に思いつく要素を書き出して、どれがアピールになるかを検討しましょう。答え方ははじめに長所・短所をあげて次にエピソードを述べ、派遣先の職場でどうしたいかでまとめます。

回答例を参考にすると具体的な答え方の流れがわかるので、長所や短所の回答作りの参考にしてください。

長所 短所の質問ではあなたが客観視できるかや社風に合うかなどを見ます

人材派遣の面接で長所 短所を尋ねる目的は、以下の5つがあります。質問の意図を知ったうえで回答をまとめると、面接官が知りたい情報を伝えられ好印象です。

目的ごとに説明するので、ポイントを押さえた回答を用意しましょう。

<長所 短所を聞く目的>
・自分を客観的に見られるか?
自分の長所 短所を理解するには、自分を客観視する必要があります。長所と短所のどちらも知っている人に対して、面接官は「自己中心的にならず長所を高めて短所を克服する努力ができる人」と評価するでしょう。

回答をもとに、あなたが自社へ派遣されたあとの伸びしろをイメージし、引き続き努力ができる人だと印象を受けます。短所は要素を伝えるだけでなく、克服しようと努力する行動をセットにして話すと説得力があります。

・自社の社風や雰囲気に合うか?
会社との相性は長く勤めるために必要な条件のひとつで、あなたの長所 短所が社風や雰囲気に合えば、ぜひ欲しい人材だと面接官は考えます。社風や雰囲気に合わないと短期間で退職する場合があり、派遣された人と企業のどちらも損をしてしまうからです。

そうならないために、面接官はあなたの価値観や考え方が社風や雰囲気に合うかを確認します。

・自分からコミュニケーションのきっかけ作りができるか?
主体的なコミュニケーションはソーシャルスキルのひとつで、企業はソーシャルスキルを持つ人材を求めています。積極的なコミュニケーションのきっかけ作りができる人は、派遣されたあと自社のスタッフへ必要なことを聞き、業務を進められるため業務がスムーズです。

職場へ早くなじめると業務の効率化も期待できるので、面接官は重視するポイントです。

・相手との関係を維持できるか?
社内・取引先にかかわらず、相手に合わせて行動を調整し関係を維持する力はビジネスにおいて欠かせません。関係を維持する力があるかを、あなたの長所 短所から判断します。

・必要なときに自分の意見を言えるか?
円滑なコミュニケーションができたとしても、自分の意見を隠したままでは本当のコミュニケーションは難しいでしょう。必要な場面で意見を言う力があるかも、長所 短所の回答から面接官は推測します。

・どんな行動パターンを持つ人か?
あなたが職場で働くとき、業務に役立つ行動ができるかを、長所・短所の質問で確認します。自社で生かせる要素のある人を受け入れたいと企業は考えるので、長所と短所のエピソードをもとにあなたが派遣されたあとをイメージします。

長所は強みとの区別に注意し、短所は長所にもなるため言いかえをしましょう


人材派遣の面接で長所と短所のどちらか、または両方を聞かれる場合もあります。質問する目的を把握したうえで、面接官があなたについて知りたいことを的確に伝え、アピールする答え方をしましょう。

長所と強みの違いや短所でマイナスの印象ではなくプラスの印象を与える答え方のポイントを紹介します。

・長所と強みの違い
長所とはあなたの人柄・性格・気質をメインに伝えます。仕事に対する姿勢や人間関係の構築の仕方、同じ職場でのかかわり方が想像できる内容を話しましょう。

一方強みは自己PRで話す内容で、仕事の成果・実績につながった行動・仕事での得意なことなどを伝えます。具体的な数字で結果を示すとわかりやすいです。

長所を聞かれて自己PRまで含めると、話が長くなりがちです。質問内容にふさわしい答えだけを簡潔に伝えた方が、必要な情報をスムーズに提供できる人だと印象づけるでしょう。

・アピールするポイントはひとつに絞る
長所と短所のどちらを話す場合でも、ポイントをひとつに絞って伝えましょう。長所と短所をたくさんあげた方が、自分らしさを伝わると思いがちですが、いくつもあげるうちに話が長くまとまりにくくなります。

すると面接官はあなたはどんな人かを把握しづらくなり、印象があいまいになるかもしれません。または「自分のことがわからないため長所 短所がまとめられず、ただいくつも要素を話している」ととられ、自己分析のできない人と思われる可能性もあります。

また話す順番は、はじめに伝えたい長所 短所を一言であげ、そのあと裏付けとなる理由やエピソードを話します。

・短所を長所に変換する
自分の長所が見つからず、短所ばかりいくつも浮かぶ人もいるでしょう。しかし短所は長所の裏返しでもあり、言いかえて長所としてアピールができます。

たとえば神経質は几帳面に、抱え込みやすい性格は責任感が強いなどと言いかえができます。あなたは短所と思っても他人からすると長所に見えることがあり、アピールできる要素です。

・職場で致命的になる短所は避ける
短所のほとんどは言いかえで長所になりますが、職場やたずさわる業務内容により、仕事に向かないと面接官が判断する要素もあります。たとえば営業職に応募して、短所は人前で話すことが苦手と言うと業務にとって致命的です。

営業職に限らず、接客がメインの仕事を希望しながら人とのコミュニケーションが苦手と言うと、長続きしないと面接官は判断しがちです。

回答例を参考に、あなたの長所と短所をアピールする回答を作りましょう

あなたの長所と短所をそれぞれいくつか書き出して、人材派遣のアピールに使える要素はどれか検討しましょう。短所ばかりになったとしても、視点を変えて長所への書きかえをし、裏付けるエピソードはないか考えます。

長所 短所にわけて回答例を紹介するので、あなたの回答作りに役立ててください。

<長所>
・協調性がある
私の長所はコミュニケーション能力があるところで、前職の飲食店では入口の案内とレジを担当しておりました。混雑して長くお待たせしたお客様には、テーブルまで改めてうかがい、お詫びの言葉とゆっくりお過ごし頂くよう声掛けをしました。

レジでは積極的にお客様へ料理の感想などをお聞きしたところ、私の名前を覚えてくださり、大人数でご予約頂くことができました。御社でもコミュニケーション能力を生かした接客で、業績に貢献したいと思っております。

・計画性がある
私は計画性があるところを長所ととらえています。時間を細かく区切って作業にあてることやToDoリストの作成など、スムーズな進捗のための仕組み作りが得意です。

前職の営業事務では、同僚に作業内容を効率化したツールを共有したところ喜ばれ、業務の効率アップにもつながりました。

・積極性がある
私の長所は積極性だと考えております。前職では入社したばかりの頃、自分の名前を覚えてもらう機会になればと考えて、郵便物配布業務の担当を申し出て任せてもらいました。

業務をこなすうちにあらゆる部署で自分の名前を覚えてもらうことができ、自分宛の問い合わせも増えました。このようにできることを探して取り組む積極性を、御社の業務でも生かしたいと考えております。

<短所>
・優柔不断
私には優柔不断なところがあり、新生活のために引っ越しする物件を探していましたが2つ物件で迷い、どちらも逃して後悔しました。なぜ優柔不断かと考えたところ、欲張りすぎるあまり決断できないと気づきました。

その後は優先する条件を考えて、Aを取ればBは諦める判断を早くするよう心がけています。仕事でチャンスを逃さないよう、今後も優柔不断さを改善していきたいと思っております。

・心配性
私の短所は心配性なところです。あらゆる状況を想定して不安要素をできる限りなくし、準備を万全にしなければ気が済まないところがあります。

業務で毎回多くの準備をすることは難しいと考え、資料のうち他の業務にも使えるものはテンプレート化して活用し、不安の解消を心がけています。

・せっかち
私はせっかちなところがあります。前の会社へ入社したばかりの頃、業務の進行を焦るあまり内容に抜けがあり、失敗したことがありました。

それ以降は焦らないために全体のスケジュールを把握して余裕を持たせ、業務の調整をこまめに行って取り組むようにしております。

(まとめ)人材派遣の面接で長所 短所はどう答える?

1.長所 短所の質問は客観視できるかを見るためで、長所と短所はひとつだけ答えましょう
面接官はあなたの長所・短所を聞いて、どんな人物かを確かめます。長所は仕事への姿勢を、短所は業務に致命的でない要素を話しましょう。

長所・短所のどちらを話す場合も要素はひとつにとどめた方が、面接官の印象に残りやすいです。

2.長所 短所の質問ではあなたが客観視できるかや社風に合うかなどを見ます
面接で長所 短所を尋ねる目的は、自分を客観視できるか・社風や雰囲気に合うか・主体的にコミュニケーションをとれるかなどを確かめることです。自社に欲しい人材であり、あなたが派遣されて気持ち良く働けるかを知るための質問です。

3.長所は強みとの区別に注意し、短所は長所にもなるため言いかえをしましょう
人材派遣の面接では、長所は仕事に対する姿勢などを、短所は業務に致命的でない要素を話します。短所は裏返すと長所にもなるため、言いかえてアピールしましょう。

長所と短所のどちらも複数あげず、あなたらしさが伝わるひとつに絞ります。

4.回答例を参考に、あなたの長所と短所をアピールする回答を作りましょう
長所と短所の質問に備えていくつか書き出し、アピールになる要素をひとつだけ選んで、裏付けるエピソードを探します。回答例のようにまず長所・短所をあげてからエピソードを話し、最後に派遣されたあとどう役立てたいかにつなげましょう。

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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