人材派遣の面接で苦手な教科はどう答えるべき?

苦手な教科に向き合い努力したことを、具体的なエピソードとともに伝えましょう


人材派遣会社の面接で苦手な教科を聞かれた場合、その教科を苦手だと認識して努力した過程を話しましょう。具体的なエピソードとともに、成長を感じるまでの流れを話すとわかりやすいです。

採用担当者はあなたが話しづらい苦手科目をあえて聞き、努力を続けられる人か確かめています。苦手なことを話すとき、本心が出やすいため人柄を確認する目的もあります。

教科名だけで終わらせず必ずエピソードを添えて、できれば最後に派遣後の働き方へどう役立つかも伝えましょう。答え方に迷った場合は回答例を参考にするとまとめやすく、話の流れがわかります。

苦手な科目がなくても「ありません」とは言わず、難しいと感じた単元をもとに見つけましょう。だいたいの考えがまとまったあとは、教科別の回答例を参考にして答えをまとめてください。

面接での苦手な教科の質問には、人柄や苦手との向き合い方を見る意図があります

苦手な教科は学生生活のなかであなたが苦労した部分で、できれば話したくない内容かもしれません。しかし採用担当者はあえて辛い経験を聞き、あなたについてよく知りたいと考えています。

人材派遣先の面接で苦手な教科を聞かれたときは以下の意図があります。想定した答えを用意して、あわてず面接を受けましょう。

<面接で苦手な教科を尋ねる意図>
・あなたの人柄を知りたい
履歴書や職務経歴書だけでは見えない、人柄を確かめる方法として苦手な科目を聞くケースがあります。好きなことや得意なものは辛いことすらプラスにとらえたエピソードにまとめやすいですが、嫌いなことや苦手なものはどうしても本心が出てしまいます。

苦手なことは自分の弱い部分で向き合いたくないところですが、うまくエピソードを伝えられると、弱い部分と正面から向き合って対処できる人物だと評価されるはずです。あなたらしさを見るために、面接官があえて聞かれたくない質問をしており、あなたの長所となる性格や行動パターンをアピールする場にしましょう。

・苦手なこととの向き合い方を見る
ビジネスにおいて苦手なことがあっても避けては通れず、自分の力で対処しなくてはなりません。学生時代に多くの人が持つであろう苦手な教科に、どのように取り組んで結果を出したか?を見ると、あなたが仕事でとる可能性のある行動をイメージできます。

そのため苦手な教科名だけ答えて終わりにせず、エピソードと仕事で生かせる行動までを伝えましょう。

・会社との相性を確かめる
派遣予定企業の業界や職種があなたに合うことは、長く勤務するために必要なため、短期退職されないために会社側は相性を確認します。もしあなたの苦手な教科がその会社で担当する仕事に関係ある場合、「辛くて長続きしないのでは?」と思われるかもしれません。

ただ雑談のために苦手な教科を聞かれるケースもありますが、その場合でも派遣予定企業の社風や扱う内容に反しない教科を答える準備をしましょう。

<得意な教科も聞かれた場合は?>
話しやすい話題を提供して、あなたの緊張をほぐそうとしている、またはあなた自身が強みを理解して、仕事に生かせるかを見ています。得意な教科で優秀な成績を上げた経験があるとついたくさん話したくなりますが、意図を理解して簡潔にまとめ、あなたの良さが伝わる答えにしましょう。

苦手な教科答え方は結論から始めて、派遣後のイメージでまとめましょう


人材派遣会社の面接で苦手な教科を答える順番は、初めに教科をのべたあとで具体的なエピソードを話します。エピソードはなぜその教科が苦手だと思ったか?を伝え、克服するために取り組んだ内容まで話すと相手に伝わりやすくなります。

苦手なことに対して逃げずに努力できる姿を、面接官にイメージさせましょう。諦めず努力した内容から、派遣後にあなたが会社でできることを話し、まとめます。

面接官のタイプによっては、とても頑張ったと褒めてくれるかもしれませんが、嬉しくなって長く話しすぎないことです。あなたが話しやすいよう、社交的な対応をする人の可能性があるので、謙虚かつ冷静に、事前に用意した回答を話しましょう。

<教科名だけで終わらせない>
採用担当者からさらに質問される前提で、短い回答で終わらせることは避けます。教科名だけで終わらせても、そのあと深堀りしてくれる人ばかりとは限らないからです。

わざと採用担当者に質問させる話し方も避けて、教科名から具体的なエピソード、派遣後のイメージまでスムーズに答えましょう。

<苦手な教科がない場合は?>
どの教科もまんべんなくできて、あまり苦労した経験がないことは素晴らしいですが、苦手なことに取り組んだ経験を知りたい面接官からすると、十分な答えではありません。教科そのものが苦手ではなくても、難しいと感じた単元を探してみましょう。

本当に苦手教科がない場合でも、正直に伝えると悪い印象を与える可能性があるので、難しかった教科などと考え方を変えて見つけましょう。

<抽象的な答えを避ける>
苦手な理由がイメージしづらいと、あなたがいくら努力して成果を上げたとしても面接官に伝わらないので、苦手だと認識した具体的な状況を挙げます。教科の専門的な内容を挙げて苦手だったと言っても、伝わらない可能性があります。

教科の内容はおおよそ紹介し、どのように努力を重ねて成績を伸ばしたかを具体的に説明しましょう。

<エピソードは過程を重視>
具体的なエピソードは、満点や学年1位をとったのような大きなものでなくてかまわず、その結果を出すまでの過程をわかりやすく伝えます。あなたがとった計画や行動が、職場でのあなたの姿を想像させよい印象につながります。

チームワークが重要な職場の場合、職場で良好な人間関係をつくるため、苦手な人とも付き合う必要があり、特に過程を重視するでしょう。

苦手な教科を印象良く答えるために、参考例を役立てください

人材派遣会社の面接で、苦手な教科を尋ねる意図と的確な答え方を知ったあとは、面接のために答えを用意しましょう。順序だてて答える必要があるので、事前にあなたの考えをまとめてスムーズに話せるよう練習もおすすめです。

もし苦手な科目が派遣予定先に不利になりそうと思っても、明らかな嘘は避けましょう。面接官は人を見るプロのため、嘘は見抜かれてしまいます。

<苦手な教科で好印象を与える回答例>
・国語
私の苦手な科目は国語です。文法や漢字などは得意でしたが、登場人物の気持ちを考える問題や筆者の考えをまとめる記述問題が苦手でした。

そこで書く力をつけようと毎日一言でも日記を書き始めたところ、苦手意識が薄れて記述問題に取り組めるようになりました。そして読んだ本の感想や新聞記事のまとめを始めてからは、自分の言葉での解答がスムーズになり、今では自分の気持ちを文に表す力がついたように感じます。

・英語
私は英語が苦手で、文法の基礎の学習がたらずテストで点が伸びないとわかっていました。なかなか前向きに取り組めなかったときに留学生の友人ができました。

彼は日本語と英語がとても上手だったためなぜかと理由を聞いたところ、彼の国で英語を話せることは当然と知り、広い世界で働くには英語を避けては通れないと痛感しました。それからTOEICのスコアアップを目指した学習をしつつ、通学時間を使って英語のニュースなどを見るようにしました。

その結果今では、英字新聞も見出し程度ですが翻訳アプリなしでわかるようになりました。

・数学
私は小学生の頃から数字が苦手で、算数・数学と聞くだけで逃げていました。簡単な計算問題は解けても、文章題になると最後まで考えることを諦めがちでした。

しかし高校入学した頃、数学の苦手を克服したいと思い公式を覚え直すことから始めました。中学の数学ももう一度復習し、高校の数学に取り組んだところ、テストの点数がわずかに上がり嬉しかったことを覚えています。

先生や数学の得意な友人が協力してくれたおかげもあり、応用問題にも挑戦するようになりました。平均点程度で点数は止まりましたが、努力をしなければ赤点ばかりだったと思います。

おかげでコツコツ続けると力になると実感でき、自信になりました。職場でも周りと協力しながら、難しいことでもコツコツと取り組んでいきたいと思います。

・物理
私は物理が苦手で、電磁誘導など物理で扱う理論が現実のものと思えず、頭に入りませんでした。どうにか物理を学ぼうと、通学中や休み時間にも教科書を読み、理解を深めるようにしました。

おかげで平均点程度はとり続けられ、赤点はとりませんでした。努力すればすぐに大きな成果が出るとは限りませんが、続ければどうにか形にはなるとわかりました。

仕事のなかでも地道に続けて、たとえ成果が出なくても取り組み続けようと思います。

(まとめ)人材派遣の面接で苦手な教科はどう答えるべき?

1.苦手な教科に向き合い努力したことを、具体的なエピソードとともに伝えましょう
苦手な教科を答えるには、教科名だけでなく苦手を克服するために行った過程とその結果を話します。苦手なことに取り組む姿勢を面接官は確認し、あなたの職場での働く姿をイメージします。

2.面接での苦手な教科の質問には、人柄や苦手との向き合い方を見る意図があります
面接官は、苦手な教科を尋ねてあなたの人柄や苦手なこととの向き合い方を確かめ、仕事において辛いことがあった場合、どのように対処するか?をイメージします。会社との相性を確認し、あなたの働きやすさもチェックする質問です。

3.苦手な教科答え方は結論から始めて、派遣後のイメージでまとめましょう
面接で苦手な教科を答える流れは、簡潔に教科を言い具体的なエピソードへと進みます。最後に派遣後はどのように役に立てるかまでを伝えましょう。

苦手な教科が見つからない場合、難しかった単元をもとに見つけてください。

4.苦手な教科を印象良く答えるために、参考例が役に立ちます
面接で使う苦手な教科の質問の回答は、回答例を参考にまとめます。良い印象を与えるためにと、明らかな嘘はやめましょう。

国語や数学など教科名を挙げ、苦手だと気づいた時期や苦手な部分を紹介し、克服のための過程へと続けて、その結果を伝えます。

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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