人材派遣の面接でがんばったことを伝えるには?

がんばったことを話すには、結果だけでなく理由・具体的な経験・入社後の姿を伝えましょう


人材派遣の面接でがんばったことを聞く目的は、あなたの希望職種への適性・困難に立ち向かって乗り越える力の有無・伝える力の有無を見ることです。卒業したばかりの人は学生時代の経験の中から、社会人として働いた経験のある人は前職の経験の中から、がんばったことを話しましょう。

がんばったことの質問は成果の大小が問題ではなく、あなたが自社の社風に合う人物か確認することが目的です。力を入れた事柄がすぐに思いつかなくても、最近のできごとから少しずつ思い出してエピソードを見つけましょう。

答え方はPREP方を使って、最初に結論を言ったあと理由付けをし、具体的な経験を述べ、入社後の貢献の仕方を伝えます。仕事に直接かかわる質問なので、あなたの魅力が伝わる答えの用意が必要です。

事前に答えを準備し、スムーズに話す練習を重ねましょう。答えをまとめるときには、回答例を参考にするとわかりやすいです。

がんばったことを聞く目的は、自社との相性や困難に立ち向かえるか?を確かめることです

人材派遣の面接でがんばったことを聞く理由は3つあります。ひとつずつ説明するので、面接官の質問の意図を把握して、適切な回答を準備しましょう。

新卒採用の面接では学生時代にがんばったことを答えますが、人材派遣の面接では、学生時代に限りません。学校を卒業したばかりで社会人経験がなければ学生時代にがんばったことを答え、社会人として働いた経験がある場合は前職で最も力を入れたことを答えます。

学生時代の経験を面接で話せる時期は、第二新卒までが目安です。

【がんばったことを聞く理由】
・職種が適職か?
あなたが、希望する職種に合うスキルや経歴を持っているかを確かめます。たとえば未経験で営業職を希望した場合、学生時代の行事への積極的な取り組みやコミュニケーション能力の高さを見ます。

前職と同じ事務職が希望の場合は、前職であらゆる事務をひとりでこなしたこと、計画的に進めて感謝されたことなどのエピソードがあると、「あなたは適職だ」と判断するでしょう。

・困難に立ち向かい、乗り越えられるか?
思ったように進まない仕事やトラブルがあったとき、あなたが立ち向かって乗り越えられるかどうかを確かめるため、がんばったことを尋ねます。困難を乗り越えるためにがんばった経験があれば、面接官は興味深く聞くでしょう。

・伝える力はあるか?
取り組みをわかりやすく伝える力の有無を、がんばったことのエピソードの話し方からチェックします。あなたの取り組みをわかりやすいだけでなく、魅力的に伝えられると好印象です。

【がんばったことが思いつかない場合】
学生時代にがんばったこと、前職で力を入れたことが思いつかず悩んだときは、あなたが物事を取り組むうえで大切にした内容を考えてください。リーダーシップを発揮し大きな組織を成功に導いたなど、華やかな経験でなくても問題はありません。

成果や規模の大きさよりも、あなたらしさが伝わる取り組みを話しましょう。チームの中でコミュニケーションが取りやすいよう、ひとりひとりの意見を聞いてトップに伝えた、計画通りに終えるよう周りに働きかけながらコツコツと進めたなど、人それぞれの魅力があります。

企業が求める人材は異なるので、社風と合う内容をアピールできると印象が良くなります。学生時代や前職であなたが行った内容をできる限り思い出し、面接官に伝える内容をまとめましょう。

がんばったことを伝えるには、結論から始めて最後に入社後のイメージをアピールします


がんばったことを面接官の意図に沿って答えるには、次の3つのポイントを押さえましょう。話すときの注意点もあわせて紹介するので、用意した答えが面接にふさわしいか確かめてみてください。

【がんばったことを伝えるポイント】
・結論から言う
ビジネスでは、結論から始めるPREP(プレップ)法を使って相手に話します。面接官へ説得力のある説明ができ、短時間で内容を伝えられるメリットがあります。

PREP法の流れは「結論・理由・具体的なエピソード・結論」です。がんばったことを話すには、取り組みを一言で伝えたあとでがんばったと言える理由を述べ、具体的な経験を話します。

結論では、あなたが考える派遣後の取り組み方を伝え、会社にふさわしい人材だとアピールしましょう。

・がんばれた理由をはっきりさせる
ただ取り組んだ内容ではなく、あなたがなぜがんばれたか、力を入れて取り組めたかといった理由も伝えます。理由かを聞いた面接官はあなたの人柄を推測し、自社に合う人物かを確認します。

・結果として得たことを伝える
がんばったことは経験の報告ですませず、学んだことや得た成果まで話しましょう。学生時代のチームでの取り組みをあげた場合はコミュニケーションの大切さを学んだ、前職で現場スタッフをうまく回して業務を進めた場合は責任を持って取り組むことを学んだなどがあります。

【話すときの注意点】
・自慢話にしない
自分の成果を卑下する必要はありませんが、いかに大きな成果があったとしても、面接官に自慢話と聞こえないよう注意しましょう。謙虚に成果と達成までの過程を話した方が、面接官には好印象を与えます。

力を入れて結果を出した話がいくつもあり、結果だけを並べてしまうと自慢話に聞こえるので、希望する職種や会社に合う内容を選び抜き、達成までの過程を必ず説明するようにしてください。

・嘘をつかない
全く事実がない話を作り上げても、面接官に嘘だと見抜かれます。しかしがんばった事実がありわかりやすくするために、多少内容を言いかえる程度ならかまいません。

がんばったことが思いつかなくても嘘の話を作らず、もう一度これまでを振り返ってみましょう。

人材派遣の面接に備えて、回答例を参考にがんばったことをまとめましょう

人材派遣の面接でがんばったことや力を入れたことを確かに伝えるため、事前に答えを用意して話す練習を重ねましょう。仕事に直接かかわる質問のひとつなので、あなたがアピールしたい内容をスムーズに伝えるためにも、事前練習がおすすめです。

OK回答例とNG回答例を紹介するので、目を通してみてあなたなりの答えを作ってください。

【OK回答例】
・ゼミ班長の経験
私は学生時代にゼミで班長をしており、班員の意見を聞いてまとめ、不満があれば改善に取り組みました。班員全員が楽しく活動できることに努め、その結果ゼミの発表準備の意見交換もスムーズでした。

ゼミでの班長の経験から、相手の意見を聞いて改善策を立て、実行する力が身につきました。御社へ入社後も経験を生かし、周りの方の意見を聞いて企画し、業務を進めようと考えております。

・販売職、売場でパートバイトスタッフを回した経験
私は前職、正社員として販売職をしておりました。売場はアルバイト・パートスタッフがメインで、シフト作成や売上管理などが主な仕事です。

多くの人がかかわる売場だったので、スタッフ同士の人間関係の相談に乗ることが多く、それぞれの事情を把握してシフトを組み上げました。こまめにスタッフの話を聞いて調整したので、売場での人間関係がスムーズになり、現場の業務がとどこおりなく進むようになりました。

現場で働くパートさんから、仕事に来るのが楽しくなったと言われて嬉しかったです。御社へ勤めてからもこの経験を生かし、円滑なコミュニケーションを心がけたいと思います。

・事務職、急な業務にも対応した経験
私は前職で営業事務を担当し、効率よく業務を進めることに力を入れました。営業事務は決まった業務が多いですが、急ぎで業務が入ることもあり、優先順位をつけてこなしておりました。

ときには業務が重なり、優先順位から他の仕事の納期を延長できないか交渉することもありましたが、その場合は丁寧な説明を心がけ、納得して納期延長をして頂きました。御社でもこの経験を生かし、事務職として優先順位を考え効率よく業務に取り組みたいと思っております。

【NG回答例】
学生時代、サッカー部に所属して県大会で優勝しました。練習は毎日厳しかったですが、がんばってこなしました。

監督の言う通りに取り組んだ結果、良い成績が残せました。

→県大会で優勝するまで、具体的にがんばったことを述べましょう。監督からの指示を自分なりに考え、取り組んだ結果を伝えると自慢話ではない、がんばったことのアピールになります。

(まとめ)人材派遣の面接でがんばったことを伝えるには?

1.がんばったことを話すには、結果だけでなく理由・具体的な経験・入社後の姿を伝えましょう
人材派遣の面接でがんばったことを聞く目的は、あなたの適性やコミュニケーション力のチェックです。結論・理由・具体的な経験・入社後の姿の順で話します。

事前に回答例を見てあなたなりの答えをまとめスムーズに話す練習をしておくと、本番も落ち着いて話せるでしょう。

2.がんばったことを聞く目的は、自社との相性や困難に立ち向かえるか?を確かめることです
学生時代にがんばったこと、前職で力を入れたことを聞き、面接官はあなたが適職か、困難を乗り越えられるか、伝える力があるかを確かめます。取り組みの大小は問題ではないため、わかりやすくあなたの魅力を伝えましょう。

3.がんばったことを伝えるには、結論から始めて最後に入社後のイメージをアピールします
人材派遣の面接でがんばったことを話すには、最初に結論を言いその理由と具体的なエピソードを伝えたあとで、入社後のあなたをイメージできるアピールをします。事柄だけを並べると自慢話になるため、注意しましょう。

4.人材派遣の面接に備えて、回答例を参考にがんばったことをまとめましょう
面接でこれまでがんばったことを伝えるために、回答を準備して話す練習をしましょう。結果だけで終わらず、理由やエピソードなどを忘れずに入れてください。

回答例を参考にするとあなたなりの答えを作りやすいので、目を通してからまとめるようにしましょう。

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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