人材派遣の面接でピンチだったことの答え方は?

ピンチだったことの質問には、状況とあわせてあなたが取った行動や考えも話しましょう


ピンチだったことを答えるには、簡潔に状況をまとめて伝えてから、乗り越えるためにした行動や考えたことを話します。面接官はあなたのピンチを挽回したエピソードからストレス耐性や困難に立ち向かい乗り越える力があるかを見ます。

自社との相性も確かめる質問なので、社風を知り適切な答えを用意しましょう。ちなみに、ピンチとは挫折を感じたときや目標を達成できなかったときなどです。

もし思いつかなければ高校や大学時代から自分史を作って、あてはまるエピソードを探しましょう。ピンチだったエピソードを見つけたら、回答例を参考にまとめます。

仕事や学校でのできごとを挙げ、生活習慣の乱れや恋愛などプライベートに関する内容は控えてください。

ピンチだったことからあなたのストレス耐性や困難を乗り越える力を見ます

人材派遣の面接でピンチだったことを質問する理由は、5つあります。質問の意図を理解して、面接のための回答を準備しましょう。

【ピンチだったことを聞く理由】
・ストレス耐性があるかを知りたい
仕事にはストレスがつきものです。ストレスに負けず上手に発散して付き合える人は、同じ職場で長く働けると期待できます。

ピンチはストレスが強い状態のため、逃げ出さず適切な対処をした経験はストレス耐性があることのアピールになります。

・学ぶ力があるかを知りたい
失敗を改善し乗り越えた経験は、あらゆることを学べその後の成長につながります。ピンチを切り抜けるために考えたことや行動を述べると、あなたはどんな状況でも学び、適切な対応を取れる人材だとアピールできるでしょう。

・困難に直面したときの姿を知りたい
ピンチの状況ではその人の本来の姿が現れるため、そのときの行動や考え方を聞いて、困難を乗り越える力があるかを確かめます。大きな困難に直面して逃げてしまっただけのエピソードではなく、乗り越えるためにしたことや考えたことまで話しましょう。

完全にピンチを乗り越えることができなくても、何かしらの対処を答えられれば問題ありません。

・自社の社風に合うか確かめたい
ピンチとの向き合い方により、自社に合う人物かをチェックします。困難を乗り越えるために取った行動や考え方が社風に合っていると、自社との相性の良い人材だと面接官は判断します。

・立ち直る力があるかを見たい
ピンチとは危機的な状況であり、トラブルが起きたときなど困難に直面した状態です。気持ちが落ち込み不安な中で対応しますが、気持ちを切り替えて失敗を挽回するために行動し、結果を出せたエピソードは評価が高いでしょう。

【面接中の態度からもピンチの切り抜け方を見ている】
面接は誰しも緊張する場面で、面接に慣れない人からするとピンチのひとつです。その中であなたが冷静に考え、用意してきた答えを意図に沿った回答にして話せれば、面接官はあなたにピンチを切り抜ける力があるとみなすでしょう。

面接に不安があっても練習を重ねると次第に自信がつき、冷静に答えられます。面接対策として、答えを言う練習を何度もしてください。

【回答の要旨を使える似た質問】
・困難を乗り越えた経験は?
・挫折した経験は?
・トラブルが起きた場合、どんなふうに乗り越えるか?

どの質問も逆境を乗り越えたエピソードを聞いており、あなたがとった行動や考えたこと、その結果から仕事でも同じように切り抜けられる人物だと面接官はイメージします。

できるだけ最近のピンチのエピソードを選び、簡潔にまとめて印象良く答えましょう


多少のミスでは危機感を覚えることは珍しく、その程度はピンチにはあたりません。すぐに状況を回復でき、周りに支障が出ない程度では、さしせまった状態にあたらないからです。

この章でピンチの種類と具体的な内容を知り、あなたにその経験はないかチェックしましょう。目を通しながら思いついたエピソードがあれば、深堀りして回答づくりに役立ててください。

【ピンチとはどんなとき?】
・途中で心が折れて続けられなかった
(例)部活でキャプテンを任されチームをまとめて上位を狙おうとしたものの、まとめられず、キャプテンをやめてしまいました。

・目標のために長い間努力をしたが達成できなかった
(例)難しい資格試験に合格するため、何年も仕事と勉強の両立を続けてきたましたが、忙しくて合格できませんでした。

・多くの人の力を借りて取り組んだができなかった
(例)システム変更があるらしいと知り、チームのメンバーに先行して変更作業を行ってもらったものの、変更しないと正式に通達があり結局無駄になってしまいました。

【ピンチだったことが見つからないときは?】
危機的な状況にあった経験が思いつかないときは、今までで一生懸命努力した経験を思い出しましょう。人生が大きく変わるほどのピンチでなくてもかまいません。

あなたにとって危機的な状況で、それを乗り越える行動や考えがあるエピソードを話してください。すぐに思いつかない場合は、高校・大学時代から今までの自分史を作成し、その間にあったできごとを書き入れると見つけやすいです。

複数のできごとが見つかった場合は、直近のエピソードを採用しましょう。

【面接官に印象良く伝える方法】
・仕事または学校でのことを伝える
プライベートな内容は直接仕事と関係がないため、控えましょう。前職がある人は仕事でのこと、なければ学生時代に学校であった出来事がおすすめです。

どちらもなければ家庭や友人などとの出来事でも構いませんが、遊びや恋愛などのトラブルのエピソードは避けましょう。

・ピンチだった状況がわかるよう説明する
いつどこで、誰がおりどのようにピンチだったかを初めに簡潔に説明します。次にあなたが取った行動や考えた内容を話し、最後にどうなったかを言いましょう。

話が長くなりやすいので、1~2分程度を目安にまとめてください。大変だったと伝えたいあまり、話を大きくしてしまわないよう注意が必要です。

ピンチだったことを答えるには、乗り越えるための過程と結果をセットで話しましょう

人材派遣の面接でピンチだったことを答えるには、回答例に目を通すと参考になります。ピンチの内容と乗り越え方を述べ、職場での働き方に発展させた回答にまとめましょう。

OK例とNG例を紹介するので、回答づくりに活用してください。

【OK例】
・引き継いだ顧客の売上が下がった
「部署を異動する先輩から顧客を引き継いだものの、情報をうまく把握しておらず売上が下がってしまいました。顧客とのコミュニケーション不足も原因のひとつだったため、積極的に出向いて話を聞き、先輩が大切にしてきた顧客の信頼回復につとめました。

先輩やかかわりのある上司にも相談しながら進め、その結果少しずつ売上が回復できました。」

・トラブルにより納期に遅れが生じそうになった
「順調に進めば問題なく納期に間に合う大きなプロジェクトが、一部のチームでトラブルが起きたため遅れそうになりました。それをきっかけに定例ミーティングを設置して、定期的に遅れのある部分をカバーし合うことにしました。

おかげで無事納期に間に合い、次の案件も任せてもらうことができました。」

・サークルの雰囲気を悪くした
「大学時代のサークルでリーダーをしており、積極的に活動したいためメンバーに呼びかけていました。しかしモチベーションの差が大きく、適度に楽しみたいメンバーから嫌がられ、雰囲気が悪くなってしまいました。

リーダーについての本を読むなどしてリーダーのあり方を学んだところ、私のコミュニケーション不足に気がつきました。その後、モチベーションの異なるメンバーとも積極的にコミュニケーションを取ったところ、サークル全体が活気づき、メンバー全員でのイベントに取り組めました。」

【NG例】
・ピンチから逃げて何もしなかった
「アルバイトでスーパーのレジをしましたがコミュニケーションが苦手で、お客様からクレームを受けたとき、怖くなって逃げてしまいました。その後、出勤できなくなり退職しました。」

→「クレームを初めて受けて何をすればよいかわからなくなったとき、先輩スタッフに助けてもらいました。その後、対応の仕方を学びひとりでもクレーム対応できるようになりました」という表現にすると、回答に使える内容です。

・生活習慣の乱れが原因のピンチ
「ゲームが好きで夜更かししてしまい、大切な会議に遅れてしまいました。それからは、重要な仕事のある前の日はゲームの時間を短くしています」

→生活習慣の乱れが仕事に影響することは、社会人としてのぞましくありません。「入社後も同じ失敗をするのでは?」と面接官が心配になります。

生活習慣の乱れが引き起こしたピンチを選ぶことは、避けましょう。

(まとめ)人材派遣の面接でピンチだったことの答え方は?

1.ピンチだったことの質問には、状況とあわせてあなたが取った行動や考えも話しましょう
ピンチだったことを話すには、簡潔に状況を伝えたあとで解決のために取った行動や考えを述べます。この質問でストレス耐性や会社との相性をチェックします。

あくまで仕事や学校でのエピソードを挙げ、プライベートな内容は避けましょう。

2.ピンチだったことからあなたのストレス耐性や困難を乗り越える力を見ます
人材派遣の面接でピンチだったことを聞く理由は、あなたのストレス耐性や困難を乗り越える力の有無を見るためです。面接自体でもピンチを切り抜ける力を見ています。

この答えの要旨は、挫折した経験やトラブルが起きたときの質問にも使えます。

3.できるだけ最近のピンチのエピソードを選び、簡潔にまとめて印象良く答えましょう
心が折れた・時間をかけてもできなかった・人を巻き込んだが成功しなかったなどのピンチのエピソードは、簡潔にまとめて1~2分程度で話します。ピンチだったことが見つからない場合は、自分史を作成して思い出しましょう。

4.ピンチだったことを答えるには、乗り越えるための過程と結果をセットで話しましょう
人材派遣の面接でピンチだったことを答えるには、回答例を参考に答えを準備してください。ピンチからただ逃げただけで終わらせず、乗り越えたエピソードまでを話しましょう。”

著者紹介

著者情報プロフィール:佐々木 良和
派遣会社コンサルタント。延べ約1,000人の転職のアドバイスを行い、転職に関わってきた。モットーは「転職者の決断に悔いをさせない」。その豊富な経験を基に多くの人が悩む面接時の悩みに答えるコンテンツを発信中。

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